第1章 1
「…………」
「…………」
気まずい。
「あの……ごめんね……。」
「はぁ。それで、明日のことってなんだよ。」
切り替え早!?
感想も何もなしか……
伏黒は淡々と後処理をしながら、いつも通りのように話しかける。
「あ、えっとね……」
とりあえず聞きたかったことを話し終えた。
「ごめんね、こんな時間に来る方が悪かったよね…ありがとう。じゃあ明日。」
そう言って、今度こそ部屋から立ち去ろうとした時。
「……ちょっとまてよ。」
またさっきのように腕を掴まれた。
「俺も……悪かった。急にあんなとこさせちまって……。」
「だ、大丈夫大丈夫!気にしないで!」
明るく振舞っておかないと明日から気まずい。
「……慣れてたのか……?」
「へ、」
「なぁ、お前、なんで嫌って言わなかったんだよ。」
「それは私が悪かったし……。」
「お前が悪かったらどんな事されても文句言わねぇのかよ。」
「いや、そうじゃないけど…伏黒だったし、まぁ……」
あれ、変なこと言ってしまったかも。
「はぁ……?おまえ……」
やばい、さらに気まずい。
数秒の沈黙の後、
伏黒が私の体をひっぱる
後頭部を手で抑えられ、腰を抱き抱えられる。
「え……」
瞬間、口元に生暖かいものを感じた。
頭の中は真っ白だった。
次第に息をするのが難しくなって、ようやく事態に気づく。