一緒に灯台の光を灯し続けよう(アイナナ大神万理夢)
第1章 大神万理
「あ、さんは何が食べたい?」
「え?私も、ですか?」
「もちろん。バンが行くのに君を置いていく理由が無い」
二人に話を振られて動揺していると、大神さんに優しく肩を抱かれた。先程のグイグイ押す感じではなく、包み込まれるように。
「お、おおお大神さ…!」
「さんの家はここから近かったよね?食べたら送ってくよ」
至近距離でRe:valeにも劣らないイケメンの笑顔を見せられ、「ふぁい…」と気の抜けた返事をしてしまう。
「モモみたいだな」
「さんももしかしてイケメンに弱いタイプ!?バンさん頑張れ!」
「それ、僕にも頑張れって言ってる?」
「なんで?」
テンポいいRe:valeの掛け合いを目の当たりにして、大神さんは苦笑している。私生活でも二人はとても仲が良いんだ。そして、大神さんも。繋がりはわからないけど、三人に見えない絆が結ばれているのを感じる。
「俺が一番イケメンだってわかってもらえるように頑張るよ」
「バンさん…イケメン!!」
「バンが嫌になったらいつでも僕たちに言いな」
ユキさんからファンサのようなウインクを飛ばされた。目の前でそれを叩き落とすような動作をする大神さんと、お腹を抱えて笑うRe:valeの二人。
今まで以上に大神さんが近くに感じるようになったこの夜を、ずっと忘れないだろう。
「って、なんか終わらせようとしてるけど」
「あれ?両想い、なんですよね?」
「は?」
「バンの話聞いてたら脈アリなのかと思ってたけど」
「千……勝手に風呂敷を広げるなよ……」
「え?バンさん、告白…とかは…」
「……」
「…」
「……プッ。ダサ」
「お前だけには言われたくない」