【モブサイコ100】その花の名前は。【島崎亮】【短編集】
第4章 花が散るにはまだ早い
「私、ずっと寂しかったんですよ」
「はい」
「ずっと待ってたんですよ」
「はい」
「峯岸さんや芹沢さんにも沢山迷惑をかけたんです」
「彼らには後でお礼を言いに行かなければなりませんねぇ」
「もう何処にも行かないでください。私のそばにいてください」
「はい、もう何処にも行きません。ずっと君の傍にいますよ」
私がぶつけるように放った言葉を、島崎さんは一言一句漏らさずに肯定した。荒んでボロボロになった心が、ようやく埋まった気がした。
「生憎、もう離してと言われても離してやれそうにない」
島崎さんは自分の腕の中にいる私の顔を持ち上げると、そっと触れるだけのキスを落とした。
「君を愛しています」