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ストロベリー life

第1章 start 紫の王子様


待ち合わせ場所にて
苺「えっと、ここでいいのかな?」
いつもならゆっくり家を出るとこだけど、慣れない街でのお出かけは時間がかかると思って、早目に家を出た。ところがゆっくり歩いていたもんだから予定時刻ギリギリに着いた。

その直後、スマホからコール音が鳴り慌てて出ると「右の方を見て。」と聞き慣れた声がした。右に振り向くと、なーくんが大きく手を振って居場所を知らせてくれた。

しばらく会わないうちに、すっかり大人な雰囲気を漂わすなーくんを見て、知らない人みたいな気がして一瞬、声をかけるのを躊躇してしまった。
でも、話をしていくうちに高校時代とちっとも変わらない仕草や笑顔を見て、(あぁ、なーくんだな)とほっと安心した自分がいた。

なーくんside
予定時刻よりも少し早く着いた俺は、苺が来るのを今か今かと待っていた。ふと近くのショーウインドに目をやると顔がニヤけて、緩んでしまっている事に気付く。(ヤバイ!こんな締まりの無い顔で会ったら変な奴認定される!)

大きく深呼吸をして早る気持ちを抑えつつ表情を作っていると、左の角から見慣れた人物がゆっくりとこちらへ向かって来るのが見えた。苺だ!!
以前に比べると、メイクや服装が少し大人びて一段と綺麗になっていた。

俺に気付かず通り過ぎようとしたので慌ててスマホを鳴らす。
なーくん「右の方を見て!」そう言った後直ぐさま苺に分かるように大きく手を振った。
一瞬キョトンと驚いたような顔をされたが、俺の近くへ来て嬉しそうな顔をしてくれた。この笑顔がたまらなく愛おしく思えた。

久しぶりだったからか始めは何となくよそよそしい態度だったが、学生時代の思い出話や互いの近況報告をしていくうちに、気を許してくれたのか以前のような柔らかな表情で俺に話かけてくれるようになっていた。

思えば苺と初めて出会った時に一目惚れしてたんだけど、学生時代は臆病で伝えられず、友達になるのが精一杯だった。

俺が卒業してからは、毎日忙しくてズルズルと時間だけが過ぎて気持ちを伝えられなかった。
それでも時々はお互い連絡は取り合ってたから少しぐらいはチャンスがあるのかな?って勝手に期待している。
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