第1章 夢で会ったキミへ
もう何十回も見た
私の記憶の一部の夢を。
まるで思いだせと、私に語りかけるように
何度も
何度も
同じ夢を見る。
あぁ…また同じ夢。
笑い合う大切な四人の後ろ姿。
"「?」"
ふさふさの銀髪を揺らし
振り返る一人の男が私を呼ぶ。
彼の声に続いて優しく微笑む長髪の男性と、太陽みたいに眩しい笑顔の男。
"「おーい、置いてくぞー」"
私を呼ぶ声に思う。
___…行かなくちゃ。
置いていかれちゃう。
それでも足が動かない。
側に行きたいのに、足が動かない
"「ほら、こいよ」"
動かない私を見かねて差し出される綺麗な手のひら。
微かに笑った、吸い込まれそうなま緑色の瞳。
皆に会いたくて
触れたくて
私を突き動かす感情に
彼の手をとるため足を踏み出した。
でも…
私の横をすり抜ける小さな人影。
私じゃない…"わたし"。
あぁ、そっか。
呼ばれてたのは私じゃない
"わたし"なんだ…。
幸せそうな"わたし"の横顔を
ただ黙って見つめた。