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おうちに帰ろう(鬼滅の刃 煉獄杏寿郎)

第10章 おうちに帰ったら


私を乗せたバスは見慣れた風景に入ってきた。
そして、私がいつも利用している世田谷区用賀のバス停で停車した。
プシューッとドアが空いた時、私は運転手さんに尋ねた。

「ありがとうございました。あの…。またあっちの世界に行くバスは出てますよ…ね?」

運転手さんは前を見たままだったけど、ボソッと言った。
「来月の15日です。またのご利用を。」

私はホッとした。来月また戻れる!!

バス停から私の住むマンションはすぐ近くにある。
すぐに帰るか、コンビニに寄って気分を落ち着けてから帰るか迷って
家に帰る事にした。

「…ただいま。」
家に帰って来た私を待っていたのは、驚愕した家族と、涙鼻水の大号泣だった。
心配していた通り、失踪した私を心配し過ぎて毎日泣いていた両親に、私も泣いて謝った。新太郎も、飛びついてきた。
思い悩んだママは、今週末に占いに行って私の行方を視てもらいに行く予定だったそうだ。

今まで何をしていたのか、当然聞かれると思ったので、記憶がないから分からない。で通すつもりだった。
だけど、煉獄さんなら正直に話す事をきっと望むだろうと
思って、全てを話した。
私の話す内容は、私の頭が創り出した妄想だと思われて、病院に連れて行かれるかな…と思ったけど、家族は意外な程すんなりと聞いてくれた。

もしかしたら、多少おかしな事を口走ったとしても、手元に娘が戻った喜びの方が大きかったのかもしれない。

パパとママは、鬼滅の刃という漫画やアニメは知っていても、煉獄さんとは一体、どんな人なのかは全く知らなかった。
それで、私は煉獄さんに命を助けられて、お家に住まわせてもらった事、煉獄さんの人柄を話した。
煉獄さんを好きな事も話した。
これを避けて説明するのは無理だもの。

パパは時々目を見開いて聞いていたけど、

「煉獄さんは、男の中の男だな。そんな高潔な武士みたいな人がいるのか!心を助けて下さったお礼が言いたい。心が好きになった人か…どんな人なんだろう。パパに似た感じか?」
返答に困る事を言った。

私は一応「うん。」とだけ言っておいた。
新太郎は笑いながらソファから落ちていった。
パパは煉獄さんのヴィジュアルを知らないから、しょうがない。



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