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【仮面ライダー電王】藤色の狂気

第2章 俺、参上!


 そんなを女性が必死で止める。
「ちょっと、何考えてるの!?生身で敵う相手じゃないのよ!」
「煩い、あなたなんなの!突然現れて良太郎を電王だの特異点だのって……!!」
「今はいいからそのナイフしまって!!あの怪物に対抗できるのは電王しかいないの!!」
「ちょ、痛い離して!しまうから離してよ!!」
 掴み会って揉めていた2人だが、落ち着きを取り戻したことにより収拾がつく。そして良太郎の元へ向かうべく走ったが、その先で見たのは逃げ惑うばかりで戦う所ではない良太郎と、容赦なく一方的に攻めてくる怪物。
 中々反撃ができない良太郎に、さっきの鬼の容姿をした怪物が俺に変われと申す。変わる方法が分からない良太郎はどうやるのか聞くが、変われと申した張本人は知らんと言う。さすがに苛立ちが目立ってきた良太郎に、女性はベルトの赤いボタンを押してと叫んだ。
「ボタン…?」
 赤いボタンを押せば、駅で流れるような待機音が響く。パスを翳したその瞬間、Sword formとベルトから聞こえた声に合わせてフォームチェンジした電王がそこに立っていた。
「俺、再び参上!」
 その決めゼリフと共に、蝙蝠のような怪物が上から降ってくる。咄嗟にガッシャーをブレード状に組み立てると、すかさず怪物の腹に一撃を叩き込んだ。
「貴様何を考えている!我々の使命を忘れたか!?」
 立ち上がった怪物が言えば、そんなものは覚えてないと言う。特異点に憑いたことで凹んでいた鬼っぽい怪物だったが、逆に面白さを見出してこっちの方が良いとも言った。
「はぁ……馬鹿か?」
「言っとくが俺は、最初からクライマックスだぜ!」
 蝙蝠のような怪物の言葉をスルーして飛び込めば、手に持っている剣を素早く振るう。先程とは立場が逆転し今度は蝙蝠のような怪物が一方的に追い詰められていた。ある程度ボコした電王はパスを取り出し、ベルトの中心部に翳した。Full chargeという音声が響くと、電王はパスをそこらにポイと捨てた。
「俺の必殺技パート2」
 ガッシャーから離れた赤色のブレードが浮かび上がり、振るわれた方向に合わせて飛んでいく。上から下、左から右。さらにもう一度上から下へと振り下ろせば、ブレードはその通りに動いて怪物を切り刻んだ。
 爆発が起こった直後にブレードがガッシャーに戻ってくる。
「へっ、決まったぜ」


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