第2章 エイタと!
休憩を終えてブリッジに入ると半舷休息中のためいつもより人数が少ない。エイタに状況確認を求めに行くと何故かちらりとテツヤの顔を見た後に皮肉めいた笑みを浮かべた。
「ようやく艦長も腹を括ったみたいですね」
「……俺はロリータコンプレックスじゃないぞ」
ジト目で弁護するテツヤを無視してエイタはモニターを注視し続けた。勿論テツヤのことは上司として認めているし、ダイテツと同じように尊敬すらしている。けれども、何と言うか……十歳も年上の割には抜けていて口出しせずにはいられないのである。
色恋沙汰は特に。
「そんなの気にしてるの艦長くらいですよ。 だって他のパイロットの子たちと変わらない立派な一人の人間ですって」
「何かお前がそういう風に言うと気持ち悪いな」
意外な言葉に率直な感想を述べたがどうも気分を害したらしい。テツヤは女心だけでなく部下の心もわかっていない、ということか。
「僕だって艦長の幸せも願ってますけど、女の子を泣かせたらストライキくらいしますから覚悟しておいてくださいね!」
「む……大事にする」
エイタだけでなくリオやアヅキもやりかねない。それは艦長として非常に困るし、泣かせたいとも思っていない。
「テツヤさんの場合、大事にしすぎて泣かしそうですけど。」
忠告のつもりで言ったのだが、テツヤは首を傾げているので多分駄目だろうとエイタは早々に諦めた。