第1章 ^
パパの嬉しそうな笑顔が
雑誌に載っている
「ねぇことりのパパってハーフなんでしょ?」
「うん、名前が「バーンズ勇気」だからね」
「でもさ、なんでことりは「篠原」なの?」
「それはママの名前なの
パパとママが結婚したとき、苗字はママの方にしたんだって」
だからパパも芸名はいまだに「バーンズ勇気」だけど
私生活では「篠原勇気」なのだ
「そうなんだぁ」
樹里亜がそういうと
翼がひょいっと樹里亜の雑誌を取り上げた
「あっ返してよ!」
樹里亜がそういって翼の方に手を伸ばすが
翼はそれをはらいのけた
「あーやっぱり勇気さんカッコいい~、俺もいつか勇気さんみたいなダンサーに」
「翼がパパみたいに~?ムリムリっ」
私が馬鹿にしたように笑うと
翼はムッとして私に言った
「じゃーお前だって勇気さんみたいなトップアーティストになるなんて無理だね」
「私はパパの血が流れてるからそれなりに歌上手いもん」
私が言うと
翼は「ムーリームリー」と歌いだした
ムッカつく~
なんでこんなやつが私の幼馴染なのよっ
よく幼馴染同士の恋があるって言うけど
私たちは絶対論外だな
・・・・・・そういえばパパとママも幼馴染同士だったんだよね?
凄いなぁ、幼馴染であんなに好きになれたのか
「なーんでことりみたいなノーテンキバカが勇気さんの娘なんだよ」
「五月蝿いわねっ、だったらアンタみたいに嫌味キングもなんで
M-istの島田翼さんと同姓同名なのよ!」
「運命だよな~、翼さん!俺も将来翼さんみたいなダンサーになるっ」
さっきまでパパみたいなダンサーになるって言ってたのに!
翼の憧れってコロコロ変わるわね
あ、そうそうM-istと言えば
今の世の中(2023年)には音楽界の四天王ってのがあってね
日本で最も輝いてる歌手やアーティスト、ダンサーたちの事を言うの
その現在のアーティストが
パパたちアワトレと、そのアワトレと仲良しなタイニーサーカス(略してタイニー)
そんでM-ist、後一人に細田羅夢さんって人がいるの!
この頂点に立つ人々たちが
アーティストや歌手になりたい人の
憧れなんだ