第1章 ^
ガラリッと教室のドアを開けると
ギリギリセーフだったようで
私はホッと一息ついて
自分の机に座った
よかった、間に合った
私は制服の襟を掴み
パタパタと仰ぎながら
ハァハァと息を整えた
「ことり、おはよう」
「あ――――――・・・・・・樹里亜、おはよ~」
「今日もギリッギリだねぇ、また遅くまで歌の練習してた?」
親友の樹里亜が私に尋ねた
私は「うん」と答えた後に
樹里亜の目を見て
「パパみたいなアーティストになりたいからね」と言った
私のパパは今も昔も有名なアーティスト
その名も「Our Treasures」略してアワトレ
パパを含んだ四人組のアワトレは
人々を魅了する力があり
私はすっかり夢中になってしまった
「大きくなったらパパみたいなアーティストになる!」
小さい頃の夢をいまだに抱えながら
私は夢に向かって、日々突進していっているのだ
――――――――――――――――――sing for you~僕らの未来へ~