第1章 邂逅
三人の少年が泣いている。
横転した汽車の先頭近く。
爆発でもあったのか、辺りは土が捲れ上がり酷い有り様である。
ふらつく足取りで彼らに近づくの視界には座り込む青年の姿が捉えられた。
先程、異形渦巻く車両内で自分たち乗客を守り続けた背中がそこにはあった。
大きな声で泣き続ける少年たちの間を進み、青年の顔を覗き混む。
満足したような笑顔をたたえる彼の片目は潰れていた。
腹部には大きな穴があいている。
「彼は、ここで死んでいい方では無い。そうですね?」
の凛とした声に三人の少年が顔を上げた。
涙で濡れた3つの顔は何を言っているのか分からないといった表情で、その女の顔を見上げる。
「これから起きる事は他言無用です。」
そう言うと、女は右手を青年の前へと翳した。
「…反魂」
女の声が響いた瞬間、ぽぅと掌から光が洩れた。
「何を…」
緑色の羽織の少年が呟く。
「傷口が塞がっていくぞ!」
猪頭の少年が叫ぶ。
「一体何が起きてるんだ!」
黄色い羽織の少年が驚嘆する。
光が収まるまでは、たった十数秒の出来事だった。
朝日が暖かさを届けるその中で、血にまみれた青年はその両目を開いた。
目の当たりにした奇跡に驚く少年達が見たものは、口から血を吐きながら、地面へと倒れ込む女の姿であった。