第1章 空前絶後
「ちょ、ちょっと待って!学園長って誰?私を連行してどうするつもり?」
「学園長は俺達の学校の一番偉い方だ。連行してお前をどうするかは学園長の判断による」
私の意見を聞いて貰えるような雰囲気でも無いし、逃げ出そうにもがっちり腕をホールディングされていて到底無理そうだ。
(にしても力強すぎ私女だぞ…)
逃げ出すのは諦め殺される気配もないので大人しく着いていくことにした。いざとなれば何とかなるわけだし、何か帰る手掛かりになるかも知れないから。
「にしても随分破廉恥な格好だな。色専門のくノ一か?」
「待って待って、これ破廉恥な格好に入るの?」
いけどんと騒いでた彼が私の八割露出している生足をガン見しながら言ってきた。
“私は女の綺麗な生脚が見れて嬉しいぞ!”なんて素直に暴露してくれるもんだから逆に清々しい。
「い、言われてみれば女でこんなに肌を露出するやつもいなければ服装もないしな」
もう一人の目付き鋭い彼がチラチラ見ながら言ってくる。
(…忍なのにこんなんで赤面して大丈夫か?免疫無さすぎないか)
山を降りて平地な場所まで来てから一行が何故か止まり出した。
「ここからは人の往来もありそれでは目立つから両腕をとりあえず離せ」
(確かに装束纏ったいかにも忍ですと主張してる男四人のうち二人が女の両腕掴んでれば何事かと目立つわな)
「そうか!人目が気になるならこうしよう!」
そう言った途端いけどんの彼が私をお米様抱っこにし全力疾走する。
(うわ、これやばい吐き気する…)
もちろん当の私はぐわんぐわんと頭のてっぺんから指先まで激しい揺れにより顔面蒼白気絶寸前になるがこれも修行だと無理やり思い込み耐えた。
「馬鹿か!それでは逆に目立つだろっ、っておい聞け!!」
そして人の話を全く聞かず。
途中で意識が飛んでいたのか、目を開け気付いた時には目の前に白髪の温厚な雰囲気の中に貫禄を感じさせる老人がいた。