第11章 鼓動
それから40分後……。
私が震える指で、
小さいインターホンを押すと、
ピーンポーン
といった。
そして、ドアはすぐに開き、
なかから、Tシャツにジーパン姿の、
"普通の櫻井翔"さんが出てきた。
「こ、こんばんはー……」
「いらっしゃい、はは、固くなりすぎ。
大丈夫だから、入って……」
「お、お邪魔しまーす」
ちょっと周りの様子を伺ってから、
恐れおののきながらもお邪魔した。
足を玄関に踏み入れたとたん
櫻井さんのいい匂い……。
大きくて高そうなマンションに
住む櫻井さんの部屋は、
とても綺麗で、お洒落で
大人な男の人を感じる部屋だった。