第9章 伝授
「嫌いって言われるまで、諦めたくない」
「やっと、好きな人ができたんだもん」
「……」
「頑張っても、いいよね?」
私だって、櫻井さんが好き。
どんどん好きになってる。
でも、私はまだ、彼を人として見れてない。
アイドルだっていう観点しか持ててない。
そんな自分が憎くて、腹立つ。
好きだけど、アイドルを理由に、逃げたくなってる。
「俺は嵐だけど」
「……」
「男だし!」
「……だからさ」
そういうと、またキュッと抱き寄せられた。
腕が腰に当たって、耳元に当たる唇から
「俺を男として見てよ」
そんな、嬉しすぎて悔しい言葉が聞こえた。