第1章 単純
「お、どうしたその顔」
「げっ!先輩」
「なんだよ、そのげっ!」
「なんでもないです」
「あっそ」
やっぱり私すごい顔してるんだな。
胃もたれしてきたわ。
疲れているときにコーヒーは
禁物だな、私は。
「では、そろそろ再開しまーす」
「嵐さんスタンバイお願いします」
「はーい」
私もカンペを手に、またカメラの隣。
脚が痺れるんだってば!
えっと、次は・・・!!
『一人ずつウインクするように話をふって』
誰だ、こんなの書いた野郎は。
今回のゲストがキザ男なもんで
こんな展開になるのでしょうね。
はっ。こんなもの持つ自分がイヤよ。
いつものように座って構える。
それを見た進行の櫻井さんが
「あの、ちなみに○○さんは女の人を落とすときって」
「あ、やっぱり目が合うとウインクしたり」
「ちょっと、我々嵐やってみるので、採点お願いしていいですか?」
「あ、いいですよ」
それから順番にカメラへ向かってウインク
をしていく嵐さん。
一人できていなかったけどね。
その度に起こる観客者の黄色い歓声。
「ははは、さすがだわ嵐さんは」
なーんて呟くでした。