第4章 急激
「それじゃあ、私もう行かないと。
次の番組が始まりますから」
ちゃんが席を立ったから
自分も立って見送った。
「うん。ありがとね、話し相手」
「いやいや、こちらこそ」
「それじゃ、また夜ね。頑張って」
「はい」
礼儀よく礼をして行ってしまった。
中学生みたいに、ドキドキしてる。
ガキの恋愛とはまた違うような、
何も変わらないような。
これが、恋なのかな。
『恋をしていいんです』
ちゃんがそう言うなら
俺だって恋するよ。
壁ドンするほど、器用じゃないけど。
「向井くん・・・か」
芸能界にも向井くんいたけど、
それは有り得ないと思う。
さりげなく確信してる(笑)
ちゃんの背中が見えなくなると
のそのそとコンビニにも行かず
楽屋へ戻った。
もう、皆帰ったかな。
松潤とかいないだろうな。