第4章 急激
ウサギか。
私のどこがウサギ?
ていうかウサギってペット?
野生動物なのかな?
ウサギー・・・
「なんでウサギかって?」
「え、どうしてわかるんですか」
「ちゃん顔に出やすいからね」
「よく言われるような・・・ピピピ
この、何とも婆くさい音は
私の携帯の着信音。
「真面目だねー」
「未だにガラケーですしね」
「それはそれで魅力的だよ」
「ありがとうございます」
櫻井さんに背を向けて
電話に出た相手は、旧友だった。
「もしもし?」
『ハロー向井くんでーす』
「なーにが向井くんでーす、だよ」
『またまた、嬉しいくせに』
「うっさい。用件ないなら切るよ」
『あーわかったってば、そう照れんなって』
このムカツク男、私の小学生からの
メチャクチャ古い友人。
まあ、親友とも呼べるし
私が最後に、これが恋かもって
想っていた人だった。
「切るぞー」
『待って待って!あのさ、聞いて』
「聞くってば」