第3章 進展
「意識しちゃうじゃん」
「はい?」
「ううん、なんでもない」
「そうですか」
本当、意識しちゃってるよ、俺。
顔赤くされたら、そりゃ
俺だって、列記とした男の子だし(笑)
「櫻井さん」
「ん?」
「ドキドキしますか?」
「へ?」
「ドキドキしたりってなんですかね」
「う・・・それはね~」
なに、その質問。
でも、それって・・・
やっぱりさ。
”恋”とか、どっかそこらへん?
でも『それ恋だよー』なんて
言ったら自滅していくだけで。
「あーー」
「な、なんですか」
「いや、ごめん」
「ふふふ」
「ん?」
手を口に当てて笑うさん。
なんで笑われてるのか知らないけど
その姿が、幼い気がして
可愛い、って思っちゃってる俺。
「いえ・・・櫻井さん、自由な人だな~って」
「そ、そう?」
「シャキッとした人なのかと思ってたけど」
「期待からそれてごめんね」
「いえ、そんなこと」
「こんなの、さんにしか見せないよ」
「え・・・」
なんてね。
好きなんだもん、なんて
口が裂けても今は言えない。
もう少し、こういうのもいいかな。
可愛い、とかそういうのも
いつかは面と向かっていいたいけどさ。
「今は我慢か」
「?」