第2章 意識
こちらに向く視線を見上げれば
櫻井さんが片目を閉じた。
そこからハートが出てきていそうだ。
「ウインク、どうだった?」
「あ、皆さんよかったんじゃないですか?
ファンの方々の悲メイ・・・いえ
歓声がすごかったですし」
相葉さんができていないのには
失礼して私も笑わせてもらったよ。
「皆じゃなくて、おーれ」
そう言って自分を指差す櫻井さん。
櫻井さんがウインクしたときの
周りの歓声・・・どんなだったっけ?
「すみません。相葉さんの歓声しか
今一耳に残ってないですね」
「だから、さんの感想聞きたいの。
あのさ、言わせないでよ・・・こんなの。
伊達にアイドルだと思ってる?」
そんなことは、決してないです!
と胸を張って言えません。
ごめんなさい。
「にしても、私の感想ですか」
「そう」
「なぜ?」
「あ・・・なぜか、そうだな。
聞きたいから、はダメ?」
そんな『ダメ?』なんて言われたら
『ダメ!』なんて言えないし。
やられたな、これは・・・。