第12章 確認
唇が離れてから、私は櫻井さんを
直視できなかった。
ただ、そのまま櫻井さんの
腕のなかで、顔を赤くするだけ。
「」
「は、はい」
「あはっ、ちょっと呼んでみただけー」
「……もう」
「あれ、照れてる?」
「照れてません!」
「ははっ、はいはい」
ポンと頭を軽く叩かれる。
それから、体が離れると、
そっと触れるだけのキスされて
わたしは、完全に櫻井さんの
ペースに乗せられてる感じ。
だからこそ、それが心地よくて、
「好き」
「おっ!」
口にしてしまうんだけど、
また櫻井さんは、珍しい!
とからかってくる。
でも、顔が赤い櫻井さんは
人のこと言えない。
「翔……」
「!!」
「赤いですよ?」
「ちゃん!!」
「えへへ」
ああ
「幸せ」
「うん、俺も」
幸せです。