第10章 素直な気持ち|火神大我
蒼井「相手に自分の気持ちを伝えたから、自分への気持ちが離れないとでも思ってる?」
火神「…っ」
蒼井「人の気持ちは変えられる…」
火神「だから、俺から奪おうってのか…」
蒼井「奪うんじゃない、変えるんだ。」
火神「そんなことさせねぇよ」
蒼井「今のままの君だとすれば……また会おう、火神くん。」
火神「何なんだ…」
──────────
火神「桜田っ!」
『…!火神…くん!?』
火神が舞に駆け寄り───
火神「先に帰ってんじゃねぇよ…はぁ…はぁ…」
『でも…』
火神「くら…」
蒼井「大丈夫だよ!俺が桜田さんと帰ってたんだから。」
火神「お前っ…」
火神が蒼井を睨む。
『蒼井くんがね、送るってくれるって言ってて、それに…火神くんは部活で大変そうだったから…』
蒼井「俺…余計なことしちゃったかな?」
『ううん。蒼井くんが居なきゃ暗くて怖かったし、それに蒼井くんのお話楽しかったから火神くん、心配しなくても…』
火神「…っ!…なに…がいいのかよ…」
『えっ?』
火神「勝手にしろよ…」
そう言うと火神は走って行った。
『…火神くん…っ!』
蒼井が舞の手を掴み───
蒼井「今は行かない方がいい…。」
『でもっ…』
ギュッ…────
蒼井「アイツの所に行かないでよ…」
ギュッ…と抱き締め、弱々しい声で囁く────
蒼井「舞ちゃんが好きなんだ…」
『…え』
蒼井「急にこんな事、困るよね…。でも、この気持ちは本当だから…」
『…っ////』
真っ直ぐな瞳で見つめられ
舞は立ち止まることしか出来なかった。
蒼井「アイツと別れて俺にしない//?」
『私…』
ギュッ…──────
火神「渡すわけねぇだろ!」
『火神く…んんっ///!』
火神にキスされ驚く舞が抗議を口にしようとするが、唇の隙間から舌を差し込まれ、絡み取られる───。
そっと唇を離すと銀の糸が煌めいていた。
『ふぁ…////』
火神「俺は舞が好きだ。お前にはやらねぇっ!」
蒼井「はっ…参ったよ。」
火神「お前…」
蒼井「勘違いするな。次は、全力で奪いに行く!!」
火神「渡さねぇよ!」