第9章 かわいいひと|高尾和成
ダムッ…ダムっ…キュッ…──
高尾「はぁ…はぁ…まだまだぁ!」
高尾は体育館で練習に励んでいた。
高尾「あっちぃ〜、流石に水浴びっか」
水を浴びる為に高尾は外に出た。
高尾「あと1時間はいけんだろ…」
水道に近づくにつれ、男達の話し声がした。
よく見ると校門前に集まる2人組の男の姿が見えた。
男A「〜ちゃーん、何処行ったのかなぁ〜?」
男B「つか、入っちゃえば良くね?」
高尾「あ?なんだアイツら…」
『た、高尾くんっ!お願い…助けて!』
高尾「え、舞ちゃん!?こんな時間に何で…」
『帰りたかったんだけど、付けられてて…』
高尾「アイツら…」
怒りを露わにする高尾に舞は、ギュッと高尾の腕を掴んだ。
高尾「大丈夫、俺がいるから…」
『高尾くん…////』
男B「あー、見っけ!」
高尾「おい、逃げ…」
男A「れたらよかったなぁ?」
高尾「…。」
(やべーだろこれ…どうするよ…)
男が舞の手首を掴んだ。
『きゃっ!』
高尾「おい!離せっ!」
高尾は男の腕を掴んだ。
男A「あ?テメェ、喧嘩売ってんのか?あ"ぁ?」
高尾「はっ!やれるもんならやってみろよ!」
男A「やってや…」
宮地「何やってんだ…」
緑間「…。」
男A&男B「っ!」
(で、デケェ…)
高尾「おい、やんなら早く来いよ…」
男A「ちっ!帰るぞ!」
男B「お、おう!」
男二人は去っていった。
『ありがとう、高尾くん。
皆さん、ありがとうございました。』
高尾「俺は、別に何もしてねぇよ…」
(男達は宮地先輩や真ちゃんを見てビビって帰ってったんだ。俺は別に何もしてやれなかった…。)
宮地「高尾、お前よくあんなのに歯向かおうとしたな!」
緑間「危ないのだよ。だが…」
宮地「高尾なら一人でボコれただろーな、あんな奴ら。」
高尾「…そんな訳ないじゃないっすか」
緑間「そんな事はない」
宮地「イケるっつってんじゃねぇか!轢くぞ!」
高尾「…そうだといいけど」
緑間「らしくないのだよ。」
高尾「そんなことねぇっての!あ…」
高尾は舞の方へ振り向き
高尾「送ってくから体育館の中で待ってて!」
『あ、うん!ありがとう//』