第4章 甘いプレゼント|黄瀬涼太
お互いに挨拶も済ませ、誕生日パーティが始まった。
多感なお年頃の私達は
どんどんと話が盛り上がっていった。
由乃「そうなんですよ〜、バスケも凄くて頭も良くて…はぁ///」
春樹「それいいなぁ、俺も誰かに恋されたいなあ〜」
フと皆を見る中、何故か春樹と目が合った───
由乃「舞なんて誕生日前にショックな事あったんですよ〜!聞いてあげてください!」
春樹「へぇ〜…、で、どんな話?」
『うるさいなぁ、何でもいいでしょ!』
春樹「ね、由乃ちゃん、その話の相手って誰〜?」
ニヤニヤ
由乃「それが〜!あの黄瀬くんですよ!超イケメンで何でもこなしちゃうモデルの黄瀬涼太くんですよっ!」
春樹「黄瀬…涼太…?へぇ…あんなのがいいんだ?」
由乃「あ、春樹くん、アイドルだからライバル視しちゃうんじゃないですか〜?」
春樹「いや〜、それほどでも♪」
『アンタになにがわかんのよ…』
由乃「え?」
『あ、ううん、ごめん。ちょっと…飲み物買ってくる!』
だだだっ…と走り、家を飛び出した。
『はぁ…はぁ…、何言ってんだろ、私…』
黄瀬「…あ!あの時の!」
『へ?あ……。』
嫌な人に合った。もう二度と会わない
…なんて無理こと位わかっていたものの会いたくは無かった。
舞は早歩きで黄瀬の反対方向へ歩き始める。
黄瀬「待って!」
舞の腕を掴み
『もう関係ないでしょ!』
黄瀬「俺やっぱ、君に告白されてないっス…」
『…告白?…何のことですか』
黄瀬「ラブレター。俺、確かにいっぱい貰ってるっスけど桜田舞さんのラブレターは読んだことないんス」
『いっぱい貰ってるなら忘れたんじゃないですか?
それより、離してください…』
黄瀬「嫌だ。」
『なんで…』
黄瀬の顔を見ると、切なそうな顔をしていた。
(なんでアンタがそんな顔するのよ…)
黄瀬「俺、頭そこまで良くないっス。でも、皆のくれるラブレターちゃんと読んでるっス」
『…。』
黄瀬「あれから俺、一生懸命考えたっス。でも、君からのラブレターだけは貰ってないんスよ」