第4章 甘いプレゼント|黄瀬涼太
『そうだよ、ありえないよ…』
由乃「そっか〜…。はぁ、私も彼氏出来ないかなぁ〜、はぁ、赤司様〜♡」
──────────
由乃「ねぇ…ねぇってば!舞っー!」
『…あっ、ごめん、考え事してた…』
由乃「もう皆帰っちゃったよ〜?ほら、帰ろ?」
『う、うんっ!』
ガタガタ…と立ち上がり鞄を持ち歩み始めた。
由乃「ねぇ舞…ごめんね」
『ん?なにが…?』
由乃「あんな記事、ショックだよね?私…舞の気持ち考えれてなかった…」
『あのね由乃、私その事で悩んでたんじゃないよ?』
由乃「…へ?そ、そうなの?」
『久しぶりに会う、幼なじみの春樹が私の誕生日を祝いたいってうるさくて…』
由乃「確か幼なじみって、アイドルの春樹くんだっけ?」
『そう。アイドルやってるのに幼なじみの家に来るとか意味わかんない。しかも、祝うってうるさくて…』
由乃「なによ〜!いいじゃない!アイドルが家に来ること自体凄いんだから〜!なにより祝ってくれんのよ?はぁ、羨ましいったらありゃしない!」
『…あ、それだ!由乃!私の家にこればいいのよ!』
由乃「え?!えぇーっ!!いいの?!」
──────────
そして数日後─────
ピンポーンピンポーン──…
『はーい!』
ガチャ──……
由乃「舞〜っ!」
ギュッ─……
由乃「お誕生日おめでとう!!あ、これ、プレゼント!」
『わぁ!ありがとう!!』
リビングで由乃と離していると
ピンポーン、ピンポーン─……っと鳴った。
『はーい!』
ガチャ…
春樹「舞!祝いに来たぞ!」
『ありがとう〜』
春樹「もっと喜べよ!バカ舞!」
『はぁ?今誕生日の私にバカって言ったわね!』
春樹「なぁ、あれ…だれ?」
『友達の由乃、アンタに会いたいって言うから呼んだの!ね!由乃!』
春樹「あ、初めまして…!」