第3章 開花
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リ「よくぞ集まってくれたな」
セ「どうかしたのですか!?」
リリアの部屋に、マレウス、リリア、シルバー、セベク。そして私。
そろそろだとは思ったけど…まさかこんな急に招集されるとは思わなかった…。
今日は眠り姫のシルバーもしっかり目を開けて耳を傾けている。真面目な話だと悟ったのだろう。
リ「今回集まってもらったのは、他でもない我らが姫君、のことじゃ」
シ「の…?」
シルバーの反応に思わず俯いてしまう私に、マレウスは静かに私の手を握ってくれる。
ただならぬ空気にセベクやシルバーは息を吞む。
リ「こやつのユニーク魔法は二人も知っているはずじゃ」
シ「他者の魔法やユニーク魔法を宝石化し、盗り、浄化し、入れる…という能力ですか?」
リ「ああ、その通りじゃ」
セ「それがどうかしたのですか?」
リ「実は今の魔力のままじゃその能力は完璧に開花できていないんじゃ」
どうしようどうしよう…これ以上彼らに告げると…私は軽蔑されてしまうかもしれない…。二人に、嫌われたくない…。
思わずマレウスの手を強く握ってしまう。彼も応えるように手を握り返す。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、リリアは続けて言葉を紡ぐ。
リ「能力を完璧に開花する方法…それは異性と交わることじゃ」
…言ってしまった。だが、純情なセベクは意味が分からないといった様子で首を傾げ、そんなセベクを見てシルバーは思わずはぁ、とため息を一つ吐いて付け加えた。
シ「SEXをするということだ」
セ「せ…えっ、せっく…す…!!??」
やっと意味を理解したのか、顔を真っ赤にして私をガン見するセベク。…そんな目でみないで…。
思わず私はマレウスの胸に顔を埋める。
そんな私を見て、シルバーはセベクの頭を思いっきりたたくと、「痛いぞ!!」とセベクは抗議をした。
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