第7章 困惑
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部屋に入るとマレウスはシルバーの後ろの私に気が付き、少し穏やかな表情で迎え入れてくれた。
シルバーは用事を済ますと、私のことなんて気にも留めず、さっさと部屋を出ていってしまった。…なんかちょっと寂しい。
マ「それではどうした?」
『あ、ううん…特に用事があったわけじゃないんだけど…顔が見たくなって』
私がそういうとマレウスは目を細めて私を自分の元へ呼ぶ。
彼は私を包み込むように抱き締めると、私の顎を捉え上へ向かせる。
そっと重なる唇から彼の体温を感じて体の力が抜ける。
マ「が会いに来てくれて嬉しい」
『私も、マレウスに会えて嬉しいよ』
にこりと微笑む私を椅子に座らせ、マレウスは紅茶を淹れてくれた。
のんびりと他愛のない話をしていれば、いつの間にか外は暗くなっていた。
マレウスに送ってもらって、オンボロ寮に戻ると、心配そうな顔をしたユウとグリムが迎えてくれた。
私が大丈夫というと安心してくれて、いつものように夕飯を食べ、お風呂に入り、床に就く。
脳裏に浮かぶのは…、―マレウスとレオナ先輩の顔。
どうしよう、と悩んでいる間にいつの間にか私は意識を手放していた。
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