第2章 入寮
.
『ふふっ、でもこれで学園でも一緒に居られるね!』
リ「そうじゃな!わしも嬉しいぞ」
そして気付いた。みんなにとっては知らないが、私にとっては偉大で大好きでかけがえのない存在の彼がいない。
『あれ?マレウスは?』
いつもならすぐに迎えてくれるのに…どうして?
リ「ああ…あやつは…」
ゼ「若様はお忙しいのだ!」
『もしかして…』
リ「ああ、その"もしかして"だ」
『"また"呼ばれなかったんだ…』
何故だか彼だけいつも"呼ばれない"のだ。
でも彼のことだ。私の気配に気づいてすぐに飛んでk「」
『マレウス!』
ほらね!やっぱり来てくれた!私の王子様。マレウス!
私は一目散に彼に抱き着く。もちろん彼は大きい胸で抱き留めてくれる。
マ「ああ、。会いたかった」
『ふふ、私も会いたかった!』
熱い抱擁を交わしていると、不意にマレウスが身体を話した。
ああ、もっと抱きしめられたかった!
マ「ところで、」
『うん?』
マ「ディアソムニア寮なのはいいが、寝床はどうするつもりだ?僕としては、同じ部屋でm『オンボロ寮!』…え?」
『オンボロ寮っていうところでお世話になることになったんだ!』
私の言葉に、マレウスは手を顎に置き考え込むようにじっと私を見る。
マ「オンボロ寮…?聞いたことのない寮だが…」
リ「今回異例なことが他にもあってな。どうやらそやつと一緒の寮になるらしいぞ」
私の代わりにリリアが応えてくれる。
『そうなの!お化け屋敷みたいで面白そうだよ!』
マ「ほう…オンボロ寮…か」
それから数日、オンボロ寮の周辺を行き来する姿を同じ寮に住む監督生が目撃し、あだ名がまさかの"ツノ太郎"となったのだった。その真実を知るのはもう少し先の話。
.