第5章 宝石
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リ「わかっとるのか、」
『はい…すいません…』
冒頭の時とは打って変わって、リリアの前で正座をさせられ小さくなる私。
こんな怒ってるリリア久しぶりに見た…。
リ「まったく…ちゃんと自分を大切にしてくれないと困るぞ」
『うん…ごめんね…』
私がしゅんとしているとリリアは困った表情で、私の頭をなでながら顔を覗き込んでくる。
リ「お前はわし達…いや、わしにとって大切なコなんじゃ…無理はするな」
『リリア…』
私がリリアを見上げると、彼は力強く私を抱きしめる。く…苦しい…。
リ「本当じゃったら、わしがハジメテを貰いたいくらいじゃが…そしたらマレウスが拗ねるからのぅ」
マ「僕は拗ねたりしない」
『マレウス!』
マレウスが近くにいたのに気付いていて、リリアはワザと言ったのだろうか。それとも本心…?
私の貞操を気にしたのか、いつもなら引き離したりしないマレウスが、私とリリアを引き離し、私を抱き寄せる。
マ「だが、の処女は僕が貰う」
当の本人の私の意見など聞かず、ふたりは睨み合う。…リリアは楽しんでるだけな気もするけど…。
リ「ま、そういう約束だからのぅ。仕方ない…引き下がってやろう」
マ「ふん」
いつの間にかマレウスと私の2人きりになっていた。とうとうこの日が来てしまった…。
恐る恐る顔を上げ、マレウスを見ると、今まで見たことのない穏やかな表情、でも、その目には確かに欲望が映っていた。
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【ツイステ】美しい宝石【短編】
第1章 処女 /マレウス裏 へ続く