第42章 confession
「は?なにそれぇ。
さっきからお前ら俺に諦めろって諭してんの?」
「や、そーじゃねーけどさ」
「おい、聞け、お前ら。
弱っちい人間のお前らに忠告しておいてやる。」
突然の強い口調に、
まっすぐとクマを見つめる。
「異性に心を奪われることは、大きな喜びであって必要不可欠なことかもしれねぇ。…だがな、それが人生の中心事になったら絶対だめだ。
もしそうなったら、人間は必ず道を見失っちまうんだ。」
その言葉を認めざるを得なくなる日が来ることなんて、
この時は誰にも想像つかなかった。
心に響いたはずなのに、
人間は誰でも、そう、
幸福な道を歩んでいるのだと
常に思い込もうとしているからだ。