第42章 confession
「なーんで俺って、好きな女がよりによって親友の女なんだろー」
「仕方ないよ。
好きになる相手なんて、自分で選べねーんだから」
硝子のその言葉が、やけに大きく心に響いた。
「愛とは他人の運命を自己の興味とすることであり、他人の運命を傷つけることを畏れる心なんだ。」
突然のクマの言葉に五条も硝子も目を瞬かせる。
「愛とは感性に属する事柄であって、意欲に属する事柄ではない。だから、欲したからといって愛せるわけじゃねーしましてや愛さねばと思ったから愛せるわけでもねぇ。…って…こんなことまだ高校生のお前らに言ったって分からねぇよな。」
「お…ま……オヤジかよ」
「クマ太郎やっぱやべー…
まぁ年齢不詳だしね…」
「若さっていうのは時に乱暴で凶暴なものなんだ。
それでも、その時に感じた感情というのはいずれかけがえのない財産になる。今はわからなくてもな。」
「「・・・」」
2人は目を見開いて立ち止まってしまった。
なんて返していいのか言葉が見つからない。