第42章 confession
「あ……」
その風のせいで線香花火が落ちそうになる。
その瞬間、夏油が自分の線香花火の先端をレイのものにくっつけた。
そのおかげで2つが1つになり強度と威力を増したそれはまたバチバチと火花を散らし、美しい花を咲かせていく。
「わあ…すごい…」
「ふふ……」
夏油のそんな優しさが嬉しくて、
好きだという想いが募りすぎて…
胸がキュッと締め付けられる感覚がした。
「…ありがとう傑」
「…こうして支えたいんだよ、君を…
いつ、どんなときも…」
「…っ……」
なんて優しいんだろう。
たまに、怖くなるよ…
こんなに幸せでいいのかって…
たまに分かんなくなるよ…
1番大好きな人が、こんな私をそんなふうに言ってくれるこの世界が、本当に現実なのかって…
「でも…傑…
2つが1つになればこんなふうに助け合えるように、私も強くなって、傑の一部分に少しでもなりたいよ」
夏油は一瞬目を見開いたかと思えば、
「…もう充分さ。充分、君は私の一部分だよ」
そう静かに言って頬にキスをした。