第42章 confession
「何度も諦めようとした。でも、無理だったんだ。」
手が届かないから好きになったわけじゃなくて、
一時の感情でもなく、本気で想ってる。
憧れと錯覚してるわけでもなかった。
「だからもう、二度と後悔しないと誓ってる。」
もう二度と、自分に嘘をつかない。
もう二度と、レイを悲しませない。
もう二度と、
レイのことも、自分のことも
死なせない。
五条はレイを抱き寄せ、
前髪を退けて真っ直ぐに見つめた。
互いの潤んだ瞳が交わっている。
「あの日言えなかったことを、
今、言わせてよ。」
状況は違えど、
あの日のように浴衣姿の自分たち。
あの日、あの時のように、
またこの瞳でこうして向かい合って
静かに見つめ合う日が来るなんて、
誰が予想できただろうか。