第41章 youth 【準番外編】
真剣な表情で目と鼻の先で見つめられたかと思えば、吸い寄せられるように互いの唇が重なった。
グッと後頭部に力が入り、深くに舌が入り込み、絡まっていく。
こんな場所で…こんなキス…
と思っている余裕がなかった。
夏油の右隣では硝子とクマがビールを飲みながら焼きそばを食べていて、レイの左隣では五条はわたあめを食べながらスマホを弄っている。
唇がパッと離され、目を開けると、厭らしくペロリと唇を舐めている夏油がフッと笑った。
「…ケチャップとマスタードの味だった。」
「っ…なんかそれ嫌だなぁ。今からりんご飴の味にするね!」
そう言ってレイはりんご飴を舐めだした。
「なーあ!傑〜!このゲームってどーやんだ?」
クマが突然声を上げた。
どうやら先程射的で取った小さい玩具のことを言っているらしい。
夏油は硝子の膝の上にいるクマに向き直った。
レイは綿あめを食べている五条をチラと横目で見る。
「ねぇ、さっきから甘いものしか食べてなくない?」
「うん、あ!それ1口ちょーだいっ」
「っえ」
ガリっ!
何か言う間もなく持っていたりんご飴を齧られた。
ガリっシャリッという音が五条の口から聞こえる。