第41章 youth 【準番外編】
パシッ!!
「っうわあ!すっごおおい!傑上手〜!」
「よかったね。ウサギさんが取れたよ」
「うんっ!!ありがとう〜」
たった1発で狙ったものを落とされてしまったので、店主も驚愕の表情を浮かべている。
五条も菓子をバンバン倒している。
驚くべきことに、2人とも本当に上手かった。
まだ1発も外していない。
「すごすぎる…ねぇ、なんでそんなに上手なの?
こういうのって全然倒れないって聞くけど…」
すると夏油はいつものにこやかな笑みを浮かべて言った。
「ただ正面狙っただけじゃもちろんダメだよ。モノの形によって狙うべき位置もあるしね。より少ない力で倒すには力のモーメントを使うのさ。まぁ回転させるイメージって感じかな。」
言っていることがよく分からないがとにかく感心してしまった。
「撃つ時に力が入りすぎると手先がぶれてしまうからね。こうして利き手じゃない方をあえて使ってるし。あとは腕でバランスを保つことだよね、こうして…」
そう言って夏油はまた台に肘をついて狙いを定め、余裕の笑みを浮かべたままどんどんぬいぐるみを倒していってしまった。
その姿がかっこよすぎて説明なんて全く頭に入らなかったレイはとにかくはしゃいでいた。