第41章 youth 【準番外編】
甘く濃厚な、ねっとりとした味が口の中に広がっていく。
ペロリと唇を舐めとってからにっこり笑う。
「わあ…なるほど、美味しい。
やっぱりチョコとバナナの組み合わせって合うんだねぇ」
そう言いながらチラと目線を上げると、五条が盛大に吹き出していて、隣で硝子がそれに舌打ちしているのが目に入る。
夏油は複雑そうな表情で視線を逸らしていた。
「え、どうしたの?」
「ぶふっ…ううんなんでもないよ。
もっと食べるー?レイ」
「えっ。そんなにはいらないよ。」
「ぷっ、そう?てかその格好でそれはもうっ…くくっ」
「殺すぞ悟…」
夏油のその低い声に、レイは意味がわからずもまた何度か齧り付く。
クマも「うんっ!うんめぇ〜!」と言いながらパクパク齧り付いている。
硝子は顔を顰めながら乱暴に1口だけ食いついた。
それを見ていた五条が睨みながら言った。
「レイを見習ってもっと色気ある食い方できないわけ?」
「…殺すぞ五条」
「手伝うよ、硝子」
硝子と夏油の言葉に五条は爆笑しだした。
硝子は後味を味わうように口の中を動かしたかと思えば眉間に皺を刻み、
「やっぱ私甘いの苦手だわ」
と言ってそれをクマに渡した。
五条は「えぇ〜!」とわざとらしく落胆し、夏油はそれを横目で睨んでいた。