第41章 youth 【準番外編】
「わあ〜ねえ私金魚すくいやりたい〜!
ずっとやってみたいと思ってたんだァ〜」
そう言いながらレイはクマを抱えたまま導かれるように金魚すくいの方へ行く。
「ちょっ、ちょっと待ってくれレイ。
勝手に私から離れないでくれよ…」
急いで後を追う夏油の後ろを五条と硝子も追いかける。
「ったく。過保護な王子様だね。
見失ったら死みたいな顔しやがって」
「金魚すくいなんてレイらしいな。
それより酒が飲みてーんだけど」
店主のおじさんは目の前の輩4名に一瞬唖然とした表情になりながらも、突然顔を真っ赤にし、
「お嬢さん、やるなら200円にしてあげるよ。あっ、そっちのお嬢さんもやるなら2人で200円でいいよ。」
そう言ってニッと笑った。
「えっ、いいんですかぁ?硝子やろう!」
渡されたポイを無理やり硝子に持たせる。
「おおー…これが…きんぎょ…」
クマは丸い目をパチパチ瞬かせながら金魚たちを覗き込んでいて、その姿がとても愛らしくて笑ってしまった。