第6章 Teddybear
「仲間って、自分のできないことを助けてくれる人たちだと思うけど…でもさ…自分にしかできないことで助けてあげられる人たちのことだとも思うから。」
前に新幹線の中で五条に言ったことと同じセリフだ。
硝子は短くため息を吐いてから言った。
「レイの存在自体がもうすでにそうだと思うけどねー」
「…え?」
硝子の顔を覗き込むと、彼女は案外真剣な表情でこちらを見つめていた。
「そんなに何かを求めるならさ、1度夜蛾にでも相談してみたらー?」
「…そっか、そうだね。そうしてみる…」
喪失感にも似た焦りの感情が自分の中を蠢いている。
自分にはなんにもないような気がしてならない。
皆の役に立ちたいと誰よりも強く思っているはずなのに…