第40章 scene ■
「ねぇレイ…僕さ…」
静かに言いだすその言葉に耳を潜める。
「なにがあってもレイのこと…
守るからね…」
「……え?いきなりどうしたの?」
「…僕は性格悪いからさぁ、この世界が終わろうとどうなろうと、レイさえいてくれればもうなんだっていいんだ。」
その言葉にレイは青ざめる。
「ちょっと…悟それは…さすがに不謹慎すぎる発言じゃ…」
「ふっ…重い?僕って…。こんな僕は嫌だ?」
とても静かな声で真剣に言われ、
ゾッとするその雰囲気に息を飲む。
「……嫌じゃ…ないけど。」
「もう僕は誓ってるんだ。
レイのためだけに生きるって…。」
そう言ってギュッと抱きしめられる。
「もう…嫌なんだ…大切な人を失うのは…
あんな思いは二度としたくないんだよ…怖いんだ…」
「……っ…」
何も言えなくなって、代わりに五条を抱きしめ返す。
大丈夫…ごめん…
その2つの言葉を飲み込んで。