第40章 scene ■
「本当にね、いい子たちなんだ。
おかげで私もクマも今日は本当に楽しくて…
もしも万が一、裏切ってる子がいたんだとしても…その子はきっとそれほどの事情があるんだよ。そっちをまずは解決してあげないと…
人はみんな…弱いんだから…」
小さく呟くように言うレイの頭を撫でながらクスリと笑う五条。
「そうだね…。
それにしてもあのアンプジジィはいつ見てもイライラするなぁ」
「ちょ…それって楽巌寺学長のこと?
ものすごく失礼な呼び方…」
五条は京都校学長を非常に嫌っている。
しかし人を嫌うことをせず、どんな人のことも、いい部分のみ見ているレイには五条の言う悪口はただの悪口でしかない。
「あの人の術式おもしろいし、ギターの音色もカッコイイよね。あ〜私今度習おうかなぁ?弾き語りできるようになってみたいなぁ…」
「はぁ?レイさぁ…
それだけは絶対にやめて?加齢臭うつるよ」
「ひっどおい!その発言はさすがにダメすぎ〜っ」
レイは本気で怒ったような表情を向けてきた。
五条はハァとため息一つつく。
「今日は僕、マージでキレちゃったもんねっ
殺してやろうかと思ったわ」
「ええっ?ちょっとやめてよ!冗談でもそんな物騒なこと言わないでよ。少しは仲良くして〜仲間なのになんで」
ブツブツ説教をしているレイを横目に、
五条は今日の会話を思い出していた。