第40章 scene ■
「やっぱり、レイの力は凄いよね」
「っえ?なんの?」
レイはスマホから顔を上げて五条を見る。
五条は肘枕をしながらも優しい目をしている。
「人に好かれる力、人を引きつける力、人を変える力、人を癒す力、とか。…どんな術式よりもすごい力だよ。」
「・・・」
その言葉に、昼間のクマの言葉がリフレインした。
"やっぱお前のこれが、1番強ぇ術式なんじゃね"
「昔からそうだよレイは。
気付いてないのかもだけどね。」
「……そんなことないと思うよ?別に私なにもしてないもん」
本気で分かってないようなポカンとした表情で言うレイに、五条は噴き出した。
「…くくっ…そう、そうそうそういう純粋さだからこそだよね。昔からクマも周りも言ってたようにさ、レイほど心の綺麗な人はいないよ。真っ白すぎて、たまにこっちが穢してる気分にさえなるほど…。」
…そう、あいつもそう言ってたっけな。
ほんと、わかるよそれ。
だってさ、見ろよ、この顔。
まるで天使そのものだろ…。