• テキストサイズ

walking proud~呪術廻戦~R18~

第1章 ruby


「開けてみてよ」

感極まっているレイに、夏油はたった一言そう言った。

可愛いリボンを丁寧に剥がし、息を止めてゆっくりと箱を開ける。
中には、真っ赤な宝石が1つ輝いていた。
夜空の月と星の光が照らしているせいもあるだろう、あまりの美しさに目を奪われる。

おずおずとそれを手に取ると、ピアスだということが分かった。

「…わぁ、き、綺麗。
いいの?こんなに高そうなもの貰っちゃって…」

誰かにプレゼントなんて貰ったのも生まれて初めてで、戸惑いすら感じてしまう。

「っは、今更返されても困るよ。
レイは肌が白いから、ルビーが似合うと思ったんだ。ほら、付けて見せてよ。」

そう言って夏油はレイの髪をすくって耳にかけた。

レイは嬉しそうに目を輝かせながら耳たぶのピアスを1つ取ると、そこにルビーを装着した。
鏡がなくても慣れているので、流れるようなその動作に夏油は複雑そうに笑った。


「ね、どお?」

さすがにルビーが埋め込まれた自分を見ることは、鏡がなくてはできないので、代わりに夏油に聞くしかない。

「うん。いいな、想像以上に。」

彼の優しく細まった目を見てから、レイはきちんと礼を言った。

「本当にありがとう。ずっとずっと大切にする。
これだけは使わないように、ずっとピアスとして、お守りとして、したままでいるね。」

その言葉を夏油は真剣に否定した。

「いや、これはいつか使ってほしいんだ。そのために渡した。私の呪力も少し混ぜられている。君の身が危ない時に、必ず使ってくれ」
/ 1492ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp