第40章 scene ■
レイと五条は顔にかかった飛沫を拭いながら呟いた。
「もしかして…気を遣わせちゃったかな?」
「気を遣うなんてのがクマにあったんだな…」
「行きたいとこってどこだろう…」
「ホントはそんなのないとかだったら…」
「「・・・」」
2人は顔を突合せて複雑そうに笑った。
「ま、僕は見られていてもかまわないけどね?
クマだろうと、誰だろうとね。
最後までデキル自信ある。」
「えっ」
「ほら、もう上がるよ。僕さっきから生殺し状態も同然なんだから」
「生殺し?…え?」
あまりに可愛らしい顔で顔を覗き込まれ、五条はついクスッと笑う。