第40章 scene ■
「ふ…どうしたの?」
うっすら笑って振り向き、五条の頬に手を添える。
その瞳はまた切なげに細まった。
彼の碧眼は月明かりに相まって息を飲むほど美しい。
「単純に…不思議なんだ。
今ここでレイとこうしてるってことが…」
「うん…。私も不思議だなって思う。
でも、夢じゃないでしょ?だってほら…
こんなに温かいよ?」
五条は目を見開いた。
いつもの真っ白い笑みでにっこり笑って言うレイがあまりにも綺麗で、月灯りの星空を背景にしている彼女はまるで神話の中から抜け出てきた月の女神みたいだと思った。
「…はぁ…なんか…昔、全く同じこと、
感じたことあったな…」
「え?何の話?」
「レイが女神様に見えたことだよ…」
懐かしさに目を細める。
思わず深いため息が漏れてしまった。
目が
離せなくなる。