第40章 scene ■

｢なら神様は居る居ないじゃなくて
必要とするか、不要と斬るか、かもね｣


｢まぁ、別に祈ったからといって目に見えて何かが起こるわけでもねぇし神という存在が自分に何をしてくれるわけでもねぇかんな。
困難に陥った時、何もしない神より、手を差し伸べてくれる仲間のほうが何万倍も尊く大切な存在なんじゃねぇのか｣


｢おお…さすがクマポンいいこと言うー…｣



｢私は・・・｣


ずっと黙っていたレイが突然話し出したので
五条もクマもピタリと会話が止まった。


｢神様って、心の中にある…人の弱みなんだと思う。
一人になった時、不安な時、怖い時、辛いとき、挫けそうな時、マイナス思考になったとき…人はすがるものを求めるから…｣


だから…


｢神様という神様って、実はいないんじゃないかな…。
いるとしたら…人の中にあるもの…人と人との間にあるものが、そうなんじゃないの。もしくはそれは、人と人が理解し合おうとする力のこと…なのかもと思うよ…｣



五条もクマもしばらくの間、自分らの議論より深い気がするその言葉に沈黙していた。