第40章 scene ■
「あぁ…まぁクマポンの言ってることも理解できるよ。
宗教家が主張するような、暴力的、自己中心的、差別的で不道徳な神なんか存在したらたまったもんじゃないよね、存在して欲しいとも思わないし… 」
複雑そうな表情をしているレイの隣で
五条が何食わぬ顔で返答した。
「あんな神など存在しないほうが良いに決まっている。
自爆テロをやれと命じたり、報復に有りもしない大量殺戮兵器を理由に戦争を仕掛けさせたり、罪もない人を魔女と決めつけ処刑したり、約束の地を手に入れるため多くの町を滅ぼしたり・・・
こんな神を素晴らしいと言える人間はどうかしてるだろうが。」
「…クマポンは聖書の愛読者らしからぬことを言うなぁ。」
「おいらは別にクリスチャンじゃねぇし無宗教だ。
宗教団体は、人間の、人間のための、人間による集団だ。人間が富と権力を集めるための組織なんだ。」
「そうかもしれないね…」
2人が頷くのと同時に、またクマは難しい話を続けた。