第5章 possession
2人が出ていってから、五条はゲーム機をまとめて立ち上がる。
「楽しみだな傑〜!今回は俺と2人きりのデートじゃないからテンション上がるだろ!」
「あぁ。そうだね。」
ゴミを入れた袋を縛りながら冷静沈着な態度の夏油。
その首筋の痣を見ながら五条は音を立てずに笑った。
「前〜に俺らがダブルデートで行ったことは黙ったままでいいのー?」
その言葉に夏油の動きがピクリと止まる。
「…言う必要はないだろう?」
「ふふふっ!ならバレねーようにしろよ?俺は別にバレても全然構わないけどね!」
「・・・」
目線だけ動かし睨みあげてくる夏油に五条はニッコリ笑った。
「大丈夫大丈夫!俺もちゃんと黙ってる!ホテルも違う所をとるね?」
「ああ。頼むよ、悟くん」
「任せてよ、傑くんっ」
五条が笑って踵を返そうとした時、
「…ところで悟くん?」
夏油は冷淡な口調になって顔を上げ、目を細めた。
「人のテレビに呪力を流すのはやめてくれないか?」
五条はサングラスを取って碧い瞳で真っ直ぐ見つめ弧を描く。
「…また被害妄想ですかな、傑くん?」
夏油はふーっと息を吐いてゴミの入った袋を五条に押付けた。
「ゲームだけじゃなくてこれも持ってってくれ。」
「へいへい。」