第5章 possession
「じゃあどうする?レイがいいならシーにする?」
夏油はとにかくレイを優先したいようだ。
そこで五条が声を上げた。
「どっちもだ!ランドにもシーにも行く!」
「え、どっちも?」
「泊まりがけ旅行でな!
おし!決定!!よかったな硝子!酒飲めるぞ!」
「おぅーよらったよらった…」
硝子は既に目を虚ろにしている。
いつもの有無を言わさぬ五条によってそうなったはいいが、硝子が話を把握できているのか心配になってきた。
「今日はもう遅いし、また後日細かいことは決めよ?
私、硝子を部屋に連れてくね」
「じゃー俺もそろそろおいとましますわ」
五条はゲームを片付け始め、夏油は酒やら菓子やらをやれやれと言った顔で片付けはじめた。
「硝子!硝子!立てる?ほら行くよ!」
硝子の腕を肩にかけようとした時、夏油が耳元でコソッと囁いた。
「酔っぱらいを置いたらまたこっち来てよ?」
レイはドクンと波打つ鼓動に気付かれないように目を合わせずコクンと小さく頷いて微笑んだ。