第40章 scene ■
また沈黙になってしまった。
レイがチラリと黒目だけ五条の方へ動かすと、五条は目を見開いて固まっていた。
クマが水を飲む音だけがやたら大きく響く。
「クマがまともなこと言うと…調子狂うよ…」
「んだとてめぇ!訂正してやろーか!
このナルシスト王子気取り野郎っ!」
「ねぇさっきから思ってたんだけど、その新しい呼び方なに?」
結局また口喧嘩が始まってしまい、レイは慌てて口を開いた。
「私もっ、悟が私を大切にしてくれてるところが1番好きだし、クマのことも、大大大好きだよ!」
「「・・・」」
2人の口喧嘩は止まった。
なんだか今日は"しばしの沈黙"というのがやたら多い気がした。