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walking proud~呪術廻戦~R18~

第40章 scene ■



「…最初のきっかけはあったよ。レイは覚えてないだろうけどね」


「えっ、なに?知りたい!」


「レイはさ…初めて僕に、労いの言葉をかけた人だったんだよ。」



コーヒーに淹れた大量の角砂糖をスプーンでぐるぐると溶かしながら、あの日のことを思い出すようにボーッと波紋を見つめる。


"五条くん大丈夫?
なんか最近…疲れてない?"

"えっ…"

心底心配そうな顔。
こんな顔を誰かに向けられたのは、正直僕は初めてだった。

"いつも笑顔だし明るいからさ…
たまに心配になるんだ。無理してるんじゃないかって。"


誰も僕を気遣ったりはしない。昔から。
それに僕自身も気遣われるのは鬱陶しいことだと思ってた。

でもこの時初めて他人にそんなふうに労るようなことを言われ…僕は内心激しく動揺した。

マジでやめてくれ。
そんな顔してそんなことを言うな。

いいか、それ以上は絶対やめろよ。

厄介な感情が湧いちまうだろ…


あのときは、
そんなふうにものすごく焦ってた。
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