第40章 scene ■
「ねえ、悟は?」
「へ?」
「悟はどうして、私のことが好きになったの?」
レイの少し照れたような、でも真剣なその表情を見つめながら、五条はふふっと笑った。
「見た目。…って言ったらどうする?」
「え。」
「うそうそ、じょーだん。」
「もう…。」
正直言って、見た目で惚れたなんて言われたら、かなりショックだ。
少々不機嫌気味な顔になりながら、早く言えとばかりに頬杖をついて五条を凝視する。
五条はもう一度コーヒーに口をつけてから、同じように頬杖をついてレイを真剣に見つめた。
「……早く」
「急かすなよ。いっぱいありすぎて…今頭ん中整理してんだ」
しばらく睨めっこが続いたあと、五条が少し切なげに笑った。